Amazon労働組合のお話 その5

アマゾン配達員組合の話をもう一つ。

これまでにも、問題とされることが色々ありました。

労働基準法上であれ、労働組合法上であれ、「労働者」と判断されるかどうかは専門家の判断を仰ぐ必要があるので、個人的にはこう考える、ということしか言えないです。

しかし、今回取り上げる話は、それ以前の問題だろう、という内容です。

「アマゾンの下請け会社が配送員に他人のIDを使うよう指示」

記事はこちら。

アマゾン下請け、個人配達員に他人のID使用を指示 労働時間超過で


やらかしたのが、アマゾン本体ではないですが、配送員の立場からすると、依頼主がやってはいけないことを指示していることにかわりはありません。

本来であれば、下請け会社は、時間の制限に引っかかるのであれば、業務量の調整をしなくてはいけないはずなのに、それをせずに、配送員に不正行為を強要するって、絶対おかしいです。

アマゾンと配送員の間に立って調整をしてくれないのであれば、下請け会社の存在意義はないですよね。

労働組合ができて以降、改善された点もあるとのことですので、今後、さらにいい方向に向かって欲しいものです。

Amazon労働組合のお話 その4

アマゾン配達員組合の話。

これは酷い、と思わされることがあります。

今回はこちら。

「一方的に報酬の計算方法を変更する」

こちらの記事にも内容が記載されています。

組合を結成した配達員がアマゾンに向けて訴える「悲痛な現実」

確か、業務委託契約では、契約内容の変更については、双方の合意が必要なはず。
それなのに、会社の都合で変更して、それに従え、というのはあまりに理不尽です。

一方的に変更されて、それに従わなければならないのであれば、これは会社の命令に当たりますよね。
だったら、それは業務委託契約と言えない、という可能性が出てくるのかもしれません。

 

Amazon労働組合のお話 その3

昨年、アマゾン配達員組合ができるまでにいろいろなことがあったようです。

気になるところは多々あります。

今回はこちら。

Amazonの配送員に仕事を割り振る下請け会社が存在する」。


確か、Amazonは、直接配送員と業務委託契約をかわすアマゾンフレックスという仕組みを作っていたのでは?

そう思い込んでいたのですが、実態は違ったようです。

まるで偽装請負? アマゾンの「多重下請け」構造、宅配業界の闇


こちらの記事を読むと、下請け会社がAmazonの仕事を受けて、それを配送員に割り振っているとのことです。

しかも、Amazonと配送員の間には複数の下請け会社が介入しているのだそうです。

下請け会社に金払うなら、その分配送員に上乗せしたらいいのに・・・と思ってしまうのでした。

Amazon労働組合のお話 その2

昨年、アマゾン配達員組合が横須賀と長崎で結成されました。
ここにいたるまでには、いろいろなことがあったようです。

個人的に気になったところをあげていきます。


まずは、「AIアプリの指示に従わないといけない」。

アマゾン配達」AIの理不尽な指示で混乱、ドライバー「運転ミスで交通安全脅かされる


この記事によると、配送エリアや荷物の量を決定していたのは、Amazonが開発したAIアプリとのことです。

業務委託契約であれば、配送員側にも、希望を出す権利があって、依頼する側、される側による交渉によって、実際の業務内容が決まる、という形になるはずなのです。

それなのに、AIアプリが決めた内容の通りに動かないといけない、その通りに動いてみると、異常ともいえる長時間の作業を強いられる、ということになっているようです。

これは確かにひどい話だなぁと感じました。

机上の計算で「これが最適解」ということは出せたとしても、実際に現場に行ってみると、その通りにいかないなんてことは、日常茶飯事です。
それなのに、むりやりAIアプリに従わせるって、意味がわかりません。

そんなことをしたら、トラブルが発生するのは明らかです。

トラブルが発生した時にちゃんと対応ができるよう、余裕を持たせる必要があるのに、それをしないっていうのはひどい話です。

Amazonに何とかしてって訴えたくなるのもうなずけます。

アマゾン配達員労働組合のお話 その1

配送員の労働環境について、ウーバーイーツユニオンと並んで
話題となっているのが、アマゾン配達員組合。

2022年6月に横須賀で、2022年9月に長崎で労働組合が結成されました。

理由については、以下の記事が詳しいです。

フリーのアマゾン配達員「労働組合」結成の理由 どんなに働いても残業代もガソリン代も出ない

労働環境が著しく悪化しているので、それを改善するために、話し合いに応じてほしいということですね。

Amazonが導入したAIアプリが業務内容を決めていて、その通りに動かないといけない、という状況は、非常に厳しいということは容易に想像できますね。

問題点が多数ありますので、1つずつ見ていけたらと思います。

ウーバーイーツユニオンのお話 その4

ウーバーイーツの団体交渉権に関する問題。

会社が中央労働委員会へ異議申し立てを行ったことにより、結論が出るまでにはさらなる時間がかかるようです。

Twitterやヤフコメを見ていると、配達員さんの中でも考え方が分かれているのが興味深いです。

1つ目は、今のままでいいし、組合活動もいらないパターン。
仕事をする上で、不満はないとは言えないけれども、仕事を続ける上では問題ないと考えれば、ここに入りますね。

2つ目は、個人事業主としての自由は欲しいけど、会社との交渉を個人でやるのは厳しいから、団体交渉権のある、労働組合法上の労働者と認めて欲しいパターン。
ユニオンの立ち位置はここですね。

3つ目は、色々と会社が好き勝手やっているみたいだし、それならいっそのこと、労働基準法上の労働者と認めてもらって、労働者として保護してもらいたいパターン。
雇用労働者としての義務は増えますが、社会保険に加入できたり、解雇されにくくなったり、といったメリットがあります。

会社がこの3つを提示して、こちらで選択できるようにしてくれればいいのですが、そうもいかないですよね。

今後、配達員さんが納得できる結果が出ることを祈るのみです。

ウーバーイーツユニオンのお話 その3

前回のお話は、ウーバーイーツユニオンに団体交渉権が認められた件について、何か勘違いしている人が多いみたい、ということでした。

なぜか。

「労働者」という言葉に対するイメージと、法律上の定義がずれているからだと思われます。
「労働者」というと、会社に雇用されてて、会社の指示には従わないといけないけど、社会保険などで守られるというメリットがあるというイメージが強いようです。

このイメージに相当するのが「労働基準法上の労働者」。

それに対し、今回のウーバーイーツの話は、「労働組合法上の労働者」にあたるかどうかについて。

だから、この問題では、必ず「労働組合法上の」という枕詞が必要なんです。

労働組合法上の労働者」を定義する単語があれば話が早いですが、そういう言葉は存在しないです。

文字数の問題もあるでしょうが、ニュースの見出しには「労組法上の」という言葉は必須だったんじゃないかと思います。