2021-01-01から1年間の記事一覧

不利な話も出てしまう その2

裁判では、自分たちに有利な話を主張し、不利な話は表に出さない、というのが基本路線。 しかし、私たちの場合、自分たちの不利になる話を白状(?)させられることになってしまったことがあります。できれば社長に知られたくなかった。。。 詳細は伏せます…

不利な話も出てしまう その1

裁判を始めると、原告、被告双方からいろんな話が出てきます。 その中で、避けて通れないのが、自分たちにとって不利な話。自分たちが清廉潔白かと言われたら、そうではなく。相手に攻撃される材料はあったのです。。。 こちらが相手の不利な点を指摘して裁…

行政が弱いのは仕方ないのかな

労働相談をしたとき、「業務委託契約といいながら、雇用労働させているので、労働基準監督署に申告できますよ」というお言葉をいただいたので、労基署に行きました。 ここで、労働基準監督官さんから社長にガツンと言ってもらって、未払賃金を払ってもらおう…

心証は大事

裁判を始める前にネットで色々情報を仕入れました。 その中で、印象に残ったものの1つが、「裁判官さんの心証」。 民事裁判で裁判官さんにいい印象を持ってもらうことは重要なことらしいです。 実際に裁判官さんとやり取りするのは弁護士さんなので、基本的…

証拠がないとね

労働問題で困った時、まずは労働局、労基署、自治体の労働相談センターなどに相談に行って、その後、労基署へ行く、弁護士さんに相談する、などの手段を取ることになると思います。 その際、用意するものは「証拠」。第三者に「自分たちの言い分の方が正しい…

名ばかり事業主だった

労働者性について会社と争っていく中で新聞やテレビのニュースに接すると、関連する言葉が目に入りやすくなります。 その中で気になった言葉が「名ばかり事業主」。 「名ばかり管理職」や「名ばかり店長」というものと同じ流れのようです。要は、身分は個人…

手続き完了

弁護士さんから「精算が終わりました」と連絡があり、事務所に行ってきました。 まず渡されたのは、依頼した時に弁護士さんに渡した書類一式。これ、返ってくるんですか?「不要ならこちらで処分します」と言われましたが、一応持ち帰ることにしました。 そ…

和解成立

弁護士さんから、和解成立の連絡がありました。 和解調書も後日届きました。内容は事前に送られてきたものと同じものでした。 長い間、「労働者とは認めない、お金も支払わない」と言い続けていた社長があの内容で和解に応じたのですね。 ここまで社長を追い…

結局・・・・・

後日、改めて弁護士さんから連絡がありました。 「和解する方向で話を進めています」 和解に向かった理由。 ・和解金額が大きかったこと・私たちを労働者と認めてもらえること 弁護士さん曰く。和解金額については、裁判所が提示した金額よりも会社が提示し…

弁護士さんへの回答

どうするか決めて、弁護士さんに連絡しました。 「和解せずに裁判で決着つけたいです」 ここまできたら、判決を出してもらいたいという思いが勝ちました。 この後、弁護士さんから色々質問されたので、答えていきました。その中で妥協できる点、譲れない点を…

和解協議の結果

一通り争点をまとめたところで、和解協議のお話に戻ります。 裁判所での和解協議のあと、弁護士さんから連絡がありました。和解金額の提示があったそうです。これで和解するかどうかを考えてくださいとのことでした。 個人的には和解はしたくないんですよね…

専属性の程度について

原告の主張 会社が決めたシフトによって出勤日や勤務時間を指定されていたこと、勤務時間中も業務上の指示があり、自由時間はなかったこと、競合避止義務が契約書に記載されていたことから、専属性は高い。 被告の主張 他の仕事をしてはいけないと言ってはい…

事業者性の有無について

原告の主張 業務に必要な器具・道具はすべて会社負担。報酬については、最低賃金にさえ満たないのだから、事業者性は全くない。委託であれば、独自の商号を使って業務にあたることができるが、それも不可能だった。 被告の主張 器具・道具については、私たち…

労働対償制の有無について

原告の主張 最低保証額が決められていたこと、シフト管理によって、出勤と退勤の時間を会社に指定されたこと、会社に勤怠報告をしていたことから、報酬は時間給と判断できる。 被告の主張 最低保証額については完全歩合制だと報酬が少なくなりすぎるから、そ…

代替性の有無について

代替性があるというのは、他の人に対応を変わってもらうことはできる状況のことです。今回の場合、来客があれば、即時対応をさせられていたので、このことから代替性はないと主張しました。 これに関しては、特に会社からの反論はなかったです。

時間拘束の有無について

原告の主張 「1日につき8時間以上業務にあたること」と記載された乙書証が複数存在していた。休みの希望を出すことはできたが、シフトの最終決定権を持っていたのは会社。休みが重なった場合、会社が勝手に出勤者を決めていた。出勤日や時間を変更したければ…

場所拘束の有無について

原告の主張 場所は、店舗勤務だったので、当然拘束されていた。労働者性を判断する一要素となりうる。 被告の主張 はじめから店舗で業務を行うという契約だから、労働者性は問われない。 感想場所拘束に関しては、個人的には気にしていなかったのですが、裁…

指揮命令の有無について

原告の主張 乙書証である契約書に「スタッフは会社の指示に従え」と書かれていた上、業務マニュアルの内容の通りに業務を行うよう指示されていた。また、会社が設定した売上などの評価対象に対する目標値が記載されたデータファイルが職場に送信され、目標値…

諾否の自由の有無について

原告の主張 甲書証として提出した、会社から送付された業務マニュアルの中に会社からの指示が細々と記載されていた。例えば、身だしなみ、シフト通りの勤務ができないときの対応方法、開店準備、営業中の業務内容、閉店後作業、休憩時間の過ごし方など。業務…

各争点について

ここまで社長と対立してから、最終弁論までの流れを記事にしてきました。 裁判の争点となった「労働者性」について、まとめることにしました。 上記サイトのポイント(2)に記載されている条件のうち、今回争われた点についてまとめてみます。争点は以下の7項…

やっと最終弁論期日

最終準備書面が届いて数日後に、最終弁論の日を迎えました。 弁護士さんからの連絡によりますと、裁判官さんがどうしても和解協議をしたいということで、その日程が決められたそうです。 和解の話し合いなんてする意味あるのでしょうか。ここまで、嫌という…

最終準備書面到着

最終の裁判期日の数日前に、弁護士さんからメールが届きました。 先に届いたのが、こちらから裁判所に提出した最終準備書面。「労働者の定義」から始まり、労働者性を判断する要素に対してそれぞれに理由を説明して、私たちは労働者だったと認めるように、と…

訴えの変更申立書って?

当事者尋問が終わってから数週間後に、弁護士さんから郵便が届きました。 入っていたのは「訴えの変更申立書」という書面。 未払賃金の請求金額を、訴状に記載された金額から変更するためのものでした。 訴状での未払の請求金額は、弁護士さんが概算で出した…

当事者尋問の日(尋問終了後)

全員の尋問が終わった後は、裁判官さんと双方の弁護士さんとの打ち合わせが始まりました。次の裁判期日をいつにするとか、追加の資料や準備書面を出すとか出さないとか。 そういった話が済んで、ようやく裁判所での当事者尋問が終わったのでした。 その後は…

当事者尋問(被告編)

最後は社長の当事者尋問です。 主尋問では、役員の時と同様、自分にとって都合のいい話ばっかりしていました。 反対尋問では、尋問の前に提出していた証拠資料をもとに弁護士さんから社長に質問をしていました。ある程度進んだところで、弁護士さんは「弾劾…

当事者尋問(原告編)

原告側の当事者である私たちの尋問は、打ち合わせで説明があった通りの順番で行われました。 証言台のある所に行って、人定質問、宣誓をしました。 そのあと着席して、主尋問から始まりました。リハーサルと全く同じ形ではないですが、大まかな流れは変わら…

証人尋問(被告編)

最初に、被告側の証人尋問が行われました。証人は私たちとのやり取りをしていた役員。 証言台のあるところに役員が行きました。まず、本人であることの確認のための「人定質問(じんていしつもん)」がありました。始まる前に記入した書類を見せられて、「こ…

当事者尋問の日(法廷に入るまで)

いよいよこの日がやってきました。 朝、弁護士さんの事務所に全員集まり、最終の打ち合わせをしてから裁判所に向かいました。 裁判所に入って、最初に目についたのが、ここはどこの空港ですか、と質問したくなるような大きな機械。 中に入るには、手荷物の検…

当事者尋問リハーサル その3

リハーサルは今回が最後です。次は尋問の本番が待っています。 この日も全員で交代しながら主尋問の練習をしました。 尋問で質問される内容だけではなく、他にも仕事をしていた頃はどんな状況だったか、など、細かい質問もあり、こちらも記憶をたどりつつ答…

当事者尋問リハーサル その2

2回目はメンバー全員が順番に主尋問の練習をしていきました。質問に答えて、必要があれば修正をかけながら進めていくという感じでした。 資料を確認しつつ、記憶をたどりつつ、弁護士さんのアドバイスもいただきつつ、どう答えたらいいものか、と考えていき…