証人尋問(被告編)

最初に、被告側の証人尋問が行われました。
証人は私たちとのやり取りをしていた役員。

証言台のあるところに役員が行きました。
まず、本人であることの確認のための「人定質問(じんていしつもん)」がありました。
始まる前に記入した書類を見せられて、「この通りで間違いないですか?」と聞かれるので、「はい」と答えるだけです。
次に「良心に従って本当のことを言います。嘘はつきません」と宣誓。
といっても、渡された宣誓書を読むだけです。
宣誓の間は、全員が起立して宣誓文を聞きます。
そして、裁判官さんから「嘘をついたらペナルティがあります」と注意がありました。

そのあと、本格的な尋問が始まりました。

主尋問は、向こうにとって都合がいいような応答が続きますが、そういうものと割り切って聞くくらいでちょうどいいみたいです。

次は、反対尋問。
始まって数分後、質問に役員が答え始めたときに、「それは違うんです」と横から口を出し始めました。
裁判官さんは「今は証人に答えてもらう時間です」と社長の口出しを遮りました。
ところが、その後もこういったやり取りが何度も続き、とうとうこちらの弁護士さんが「これはひどすぎます。調書を取ってください」と裁判官さんに伝えました。
さすがに裁判官さんも怒った様子で、「横から口を出すのは控えてください」と強く社長に伝えて、ようやく社長は黙りました。
この後は静かに反対尋問が進みました。

そして、再尋問。
ここでもどうせ向こうの都合のいい応答が続くんだろうなと思っていました。
ところが、途中でこちらの弁護士さんが何度か「異議あり」と質問を遮りました。
「今のは誘導尋問です。再尋問では誘導尋問は禁止されています」
そのたび裁判官さんから「質問を変えてください」と注意が入りました。

「誘導尋問」ととらえられるような質問が出てくるってことは、こちらにとっては有利になるのかな、と期待したくなりました。

こんな感じで役員の証人尋問が進み、再尋問まで終わりました。

多分、役員は社長に「とにかくスタッフには何の指示もしていない、運営は全面的に任せていたと主張しろ」って言われていたんだと思います。

でも、実際はそうじゃなかったから、社長が途中で口を挟む必要があったんでしょうね。