名ばかり事業主だった
労働者性について会社と争っていく中で新聞やテレビのニュースに接すると、関連する言葉が目に入りやすくなります。
その中で気になった言葉が「名ばかり事業主」。
「名ばかり管理職」や「名ばかり店長」というものと同じ流れのようです。
要は、身分は個人事業主だけど、実態は雇用労働させられている人たちのこと。
あの会社で仕事をしていた私たちそのものですね。
「業務委託契約だから」ということで、最低賃金に届かない報酬を押し付けられ、社会保険の加入はなく。
それなのに、休みは会社の許可がないと取れず、会社からの指示には従わされ、売り上げ低下の責任をこちらに押し付けられ。
知識不足だったと言ってしまえばそれまでですが、問題があると認識できる環境でなかったことも事実です。
あの会社で仕事をする前、スクールに通って技術を学んでいました。
そこで、業務委託契約についての話もありました。
次のような説明があったと記憶しています。
・報酬は時給ではなく、歩合制
・お客様がつけば、雇用労働よりもはるかに稼ぐことができる
例えば、雇用で時給1000円、歩合で受け取れる金額が1時間につき2000円で、6時間接客とすると。
雇用の場合:1000円×8時間=8000円
委託の場合:2000円×6時間=12000円
実力があれば、頑張ったら頑張っただけ、委託の方が収入が増える、という理屈でした。
当時は完全にうのみにしていました。
今なら、もっと大事な説明が必要とわかります。
スクールで、労働者性について詳しく教えるべきだったはずです。
労働者性についての説明がなかったのは、通っている生徒に教えてしまうと、スクールにとって何かしら不都合があったからだろうなと思っています。